黒田商会株式会社
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  4. 竹花さんの動画でなぜ心が揺さぶられるのか?結論:ギャップ法の多用

竹花さんの動画は考察する題材として示唆に富む

最近なにかと話題の竹花さんの動画。

見られている方も結構多いんじゃないかと思います。

この動画、評価高いですね。

炎上があり、評価が見えなくなっていますが、めちゃくちゃ評価高かったです。

この動画がアップされた瞬間から、凄く注目していました。

なぜなら、考察する題材として非常に示唆に富んでいたからです。

心揺さぶられる系ですね。

コメント欄を見ていただくと、視聴者がどのような感想を抱いたのか知ることができます。

 

なぜ、この動画で多くの人は心が揺さぶられるのか

で、本題です。

これ、なぜ、多くの人が「心揺さぶられるか」わかりますか?

ちゃんと理由があって、もちろんその理由はひとつじゃないと思うのですが、明確に話法として使っているものがあるんです。

それは【ギャップ法】です。

ギャップ法は、対局にある言葉をふんだんに盛り込み、人を下に上に激しく揺さぶる力を持っています。

 

【この時代に生きる私たちの矛盾】からギャップ法を知る

この時代に生きる私たちの矛盾】という文章はご存知ですか?

少し長いですが、以下を読んでみてください。

ビルは空高くなったが、人の気は短くなり
高速道路は広くなったが、視野は狭くなり
お金を使ってはいるが、得るものは少なく
たくさん物を買ってはいるが、楽しみは少なくなっている

家は大きくなったが、家庭は小さくなり
より便利になったが、時間は前よりもない
たくさんの学位を持っても、センスはなく
知識は増えたが、決断することは少ない

専門家は大勢いるが、問題は増えている
薬も増えたが、健康状態は悪くなっている
飲み過ぎ吸い過ぎ浪費し、笑うことは少なく
猛スピードで運転し、すぐ怒り
夜更かしをしすぎて、起きたときは疲れすぎている

読むことは稀で、テレビは長く見るが、祈ることはとても稀である
持ち物は増えているが、自分の価値は下がっている
喋りすぎるが、愛することは稀であるどころか憎むことが多すぎる
生計のたてかたは学んだが、人生を学んではいない
長生きするようになったが、長らく今を生きていない
月まで行き来できるのに、近所同士の争いは絶えない

世界を支配したが、内世界はどうなのか
前より大きい規模のことはなしえたが、より良いことはなしえていない
空気を浄化し、魂を汚し
原子核を分裂させられるが、偏見を取り去ることができない

急ぐことは学んだが、待つことは覚えず
計画は増えたが、成し遂げられていない
たくさん書いているが、学びはせず
情報を手に入れ、多くのコンピューターを用意しているのに
コミュニケーションはどんどん減っている

ファーストフードで消化は遅く
体は大きいが、人格は小さく
利益に没頭し、人間関係は軽薄になっている
世界平和の時代と言われるのに、家族の争いはたえず
レジャーは増えても、楽しみは少なく
たくさんの食べ物に恵まれても、栄養は少ない

夫婦で稼いでも、離婚も増え
家は良くなったが、家庭は壊れている
忘れないでほしい、愛すものと過ごす時間を
それは永遠には続かないのだ
忘れないでほしい、すぐそばにいる人を抱きしめることを
あなたが与えることのできる唯一の宝物には、一円もかからない
忘れないでほしい、あなたのパートナーや愛する者に「愛している」と言うことを
心をこめて

あなたの心からのキスと抱擁は傷を癒してくれるだろう
忘れないでほしい、もう逢えないかもしれない人の手を握り
その時間を慈しむことを
愛し、話し、あなたの心の中にあるかけがえのない思いをわかちあおう
人生はどれだけ呼吸し続けるかで決まるのではない
どれだけ心のふるえる時間があるかだ

この文章が素晴らしいのはもちろんですが、全てギャップ法を用いて書かれています。

例えば、
・小さい⇔大きい
・アナログ⇔デジタル
・好き⇔嫌い
・笑う⇔怒る
などです。

これらを文中で多数使われることにより、文章に感動し、心が震えてしまうというわけです。

 

竹花さんの動画はギャップ法を用いて作られている

竹花さんの動画も全く同じです。

例えば、こういった言葉を多用します。
貧乏↔金持ち
好き↔嫌い
失敗↔成功
不平等↔平等
高い場所↔低い評価

このような対局にある言葉を連続で入れ込み話していく、それが【ギャップ話法】です。

これを意識して、改めて動画を見てください。

ギャップ法を連続的に使っているのがわかりますし、映像にしてもギャップ法を明確に使っています。

だから、引き込まれます。

引き込まれるのには明確に理由があります。

それを理解したら、我々はどうしたらいいのでしょうか?

 

自分が聞き手の時と話し手の時で大事なものは変わる

僕がいつも言っている、聞き手の時は【何を言っているか?】にフォーカスし、話し手の時は、ふんだんにギャップ法を盛り込み【誰が言っているか?どのように言っているか?】に最大限注力することです。

▼参考記事
聞き手、話し手、それぞれで大事なものは変わる

動画を見て「感動した〜」ではなくて「なぜ感動したのか?」を考え、自分なりの答えを出すことが大事です。

竹花さんの動画で言っていることは、一言で言うなら【行動しろ】の以上です。

それ以外は、全部演出です。

 

冷静に言っていることだけに注目すると矛盾に気付ける

例えばですが、動画の4:30辺りで

「おれが誰よりも高い場所に住んでいるのは、誰よりも自分を低く評価しているから」

という言葉が出てきますが、冷静にこの文章を読んでみてください。

どうです?

ネタですか?ということを言っていませんか?

あなたの友人が「僕は誰よりも自分を低く評価しています。ですので、タワーマンションの最上階に住んでいます。」と言ったら、「ん?何を言っているのかな?」となりますよね。

それを言うなら「僕は誰よりも自分を低く評価しています。ですので、マンションも3階以下の低層階にしか住まないと今は決めています。」ですよね。

しかし、これではギャップ法になりませんので、竹花さんの動画的にはNGです。

 

誰がどのように言っているか?ではなく何を言っているか

演出を排除し【誰が言っているか?どのように言っているか?】を排除し【何を言っているか?】にフォーカスしたら気付けることです。

しかし、ギャップ法がふんだんに使われ、演出でもギャップ法が使われ、気持ちが上へ下へぐわんぐわん振り回されるので「感動しました!」となってしまいます。

いや、別に感動することがダメなわけではないのですが、大事なことは感動することではなく「なぜ、自分は感動したという気持ちになったのか?」を論理立てて言語化することですよ。

その作業なくして、動画を見ただけで感動して翌日から自分の行動が変わるなんてことはあり得ないです。

物事や情報はそういう捉え方が大事でしょう。

ちなみに、最後に言っておくと、僕は竹花さんの動画、本当にめちゃくちゃ好きです。

これ程色んな意味で教材になる動画もないでしょう。

仕事で情報発信をおこなう人は、竹花さんの動画から学べることは多いですよ。

それは決して感動することなんかではなく「なぜ多くの視聴者が感動しているのか?」の理由を自分なりに言語化し、その要素を分解し、自分が情報発信をする時に活かすという観点の話です。

著者情報

黒田商会株式会社
代表取締役 黒田圭一
Web制作・運用コンサルティングに特化した専門会社。独立後、営業活動0、商談のために自ら取得したアポイント0で、20社以上のサイト制作・運用コンサルティングを半年間で実施。モットーは「皆がやっていない、誰でもできることをおこなう」。 Facebookでフォローする